remcat: 研究資料集

(TANAKA Sigeto)

夫婦の伴侶性と家族規範意識が追加出産意向に及ぼす影響

date: 2013-09-07 13:20-16:30
is: テーマセッション (1) 夫婦の出生力低下をめぐって
loco: 静岡大学 静岡キャンパス 共通教育B棟301
by: 松田茂樹中京大学
title: 夫婦の伴侶性と家族規範意識が追加出産意向に及ぼす影響
data: 内閣府経済社会総合研究所少子化と夫婦の生活環境に関する意識調査」
method: 追加出産意向:現在の子ども数よりも、現実的にもとうとする子ども数が多い場合を1、それ以外を0 としたダミー変数である。 // 夫婦の伴侶性:「その日の個人的な出来事について話をする」「買い物に一緒に出掛ける」など6 項目であり、それぞれについて「毎日のようにある」から「まったくない」までの6 件法で頻度を尋ねている。これを週当たりの回数に換算して足し合わせて、「夫婦行動尺度」とした。 // 夫婦共通趣味:夫婦の共通の趣味を「いつも一緒に楽しんでいる(=3 点)」
「時々一緒に楽しんでいる(=2 点)」「共通の趣味はない」(=0 点)。 // 家族規範意識:「生涯を独身で過ごすというのは、望ましい生き方ではない」から「いったん結婚したら性格の不一致くらいでわかれるべきではない」まで6項目の意見に対して、「賛成(=5 点)」から「反対(=1 点)」までの5 件法で尋ねた質問の得点を足し合わせた変数を「家族規範尺度」とした。
fact: 第一に、夫婦の伴侶性が低い者よりも高い者の方が、追加出産意向が高い。具体的には、現在子ども数にかかわらず、夫婦行動尺度が高いほど又は夫婦共通趣味があり、それをすることが多いほど、追加出産意向を持つ者の割合は高まる。特に注目されることは、現在子ども数が2人の者が第3子を出産する意向を持つか否かに、家族規範意識は効かないが、夫婦行動尺度と夫婦共通趣味―中でも夫婦共通趣味―は有意に影響するという結果である。第二に、家族規範意識が強いことは、現在子ども数が0人または1人、すなわち第1 子または第2子を出産する意向を高める。家族規範意識は、夫婦の家族形成を促す要因になっている。しかしながら、家族規範意識が強いことが、第3子の出産意向を高めることはない。
source: {http://www.wdc-jp.com/jsfs/conf/2013/documents/youshi1.pdf} 『第23回 日本家族社会学会大会 報告要旨』(2013-09-07,08 静岡大学)
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