本稿では、この副教材「健康な生活を送るために(高校生用)』(平成二七年改訂版)のうち、少子化社会対策としてぺージ数が増やされ、内容が改訂された妊娠・出産のページ(全四ページ)を検討することによって、行政と専門家集団(ここではおもに産婦人科医)が「医芋的・科学的に正しい知識」という看板を掲げてなりふり構わずに少子化対策に邁進している状況を伝え、それが教育に浸潤する問題について考えたい。
(p. 219)
報道で取り上げられた箇所だけは修正し、そうでない部分については対応しないという姿勢に問題がある…少子化社会対策のイデオロギーで歪めた知識を高校の副教材に持ち込むことを止めるべきである
(p. 224)
生殖が国家の大きな関心事であり、管理の対象となってきたことと、それが女性だけではなくその社会に生きるすべての人にとって窮屈で息苦しい社会をもたらしてきたことは歴史が示している。
(p. 225)
『現代思想 2016年4月号』(青土社)
特集=教育サバイバル
http://www.seidosha.co.jp/?9784791713202
- 作者: 大内裕和,内田良,藤田英典,今野晴貴,佐々木賢,岡崎勝,柘植あづみ
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2016/03/28
- メディア: ムック
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