Reprinted in 戦後家族社会学文献選集
- 作者: 渡辺秀樹,池岡義孝,戸谷修
- 出版社/メーカー: 日本図書センター
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
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P69 「居住規則は、結婚後に、その生殖家族がだれと交際をひんぱんにするかを決定するメルクマールになるから」重要
77 「近代的な夫婦家族の結合原理は、個々人の情緒的な相互作用のなかにのみ存在するという点で、過去の家族とは根本的に異なっているのである。」「夫婦本位の結合としてまず成立し、それを軸として親子関係へと拡大していくというような人格的結合である点に夫婦家族の結合の特質があるといえる。」
78 「家族精神が維持されるためには幾世代をも含む大家族形態が再生産される必要があるが、一代限りの夫婦家族においては、当然、そうした家族精神を維持することは不可能である。そして、その結果として家族集団の拘束力の脆弱化が必然的にもたらされることになる。」
97-98 「科学的技術よりも経験に依存することの強かった因習的な農業経営のもとでは、経験年数の長い家長の指示が、たとえ老令になっても遵守された。また、新しい技術の導入も、零細な小農経営では一度失敗すればその経営にあたえる影響は甚大であったため、積極的に行なわれることはなく、そのために、若いあとつぎは新しい技術を学びとろうとする意欲を失いがちで、自分が家長の地位を受け継ぐまでは親の指揮に黙々と従いながら農業労働に従事してきたのである。」
98 収入が家長の管理にゆだねられたのは「家産としての耕地で得られた収入は個人に還元すべきものではないと考えられていたからである。」
dcterms.versionOf: http://ci.nii.ac.jp/ncid/BN02658911