remcat: 研究資料集

(TANAKA Sigeto)

2002年度労働時間等総合実態調査

2002年度調査の情報は『労政時報』3566号 (2002年12月13日) と『労働法令通信』58巻8号 (2005年3月28日) に載っている。

厚生労働省は,労働基準法などの法制度の整備を進めるため,参考資料として「労働時間等総合実態調査」をまとめたので,概要を紹介する。

調査要領
1. 調査対象:民営事業場1万4931事業場を業種・規模・地域別事業場数を勘案して決定,具体的な事業場はこれを基に各都道府県労働局において無作為に選定
2. 調査方法:2002年4〜5月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により実施し,2002年4月1日時点の実態を調査
-----
(2002) "関連資料 1 2002年度労働時間等総合実態調査: 時間外・休日労働に関する労使協定を締結している事業場は21.6%" (労働時間: 年休取得・時間外・割増率等の実態). 労政時報 3566: 46-51. (p. 46)

http://id.tsigeto.info/naid/40005484656

この『労政時報』記事では「時間外・休日労働に関する労使協定」「延長時間の設定状況」「1ヵ月 (4週) の法定休日日数の限度日数」「労働時間数の把握状況」についての結果が図表を中心に示される。時間外労働の実態に関する項目はあつかっていない。

つぎの『労働法令通信』の記事では、「週所定労働時間の状況」「時間外・休日労働に関する労使協定」の結果のあと、「時間外・休日労働の実績」「割増賃金率」がとりあげられる:

4 時間外・休日労働の実績
(1) 一週の法定時間外労働の実績 (最長の者及び平均の者)
〔……〕
(2) 一箇月の法定時間外労働の実績 (最長の者及び平均の者)
〔……〕
(3) 一年の法定時間外労働の実績 (最長の者及び平均の者)
-----
(2005) "<労働時間等総合実態調査> 週所定労働時間四〇時間以下の事業場は九一・一%: 特別条項付き時間外労働に関する労使協定締結事業場は一四・六%". 労働法令通信 58(8): 28-31. (p. 30)

http://id.tsigeto.info/naid/40006673791

「最長の者」「平均の者」の定義や、どの「一週」について時間外労働を調べたのかの説明はない。

2004年9月28日の 第35回労働政策審議会労働条件分科会 資料に「平成14年度労働時間等総合実態調査結果」がふくまれている (資料3-3)。

 本調査は、週所定労働時間や時間外・休日労働及び深夜労働の割増率の状況等を把握することを目的として、実施したものである。
 調査及び調査結果の概要は以下のとおりである。

I  調査の概要
 1  調査対象
 調査対象は、労働基準法別表第1第1号から第5号まで、第6号のうち林業、第8号から第15号まで及びその他の事業に該当する主として民営事業場のうちから、業種・規模・地域別事業場数を勘案して対象事業場数(14,931事業場。)を決定し、具体的な事業場はこれをもとに各都道府県労働局において無作為に選定した。

 2  調査方法
 調査は、平成14年4月及び5月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により実施し、原則として平成14年4月1日時点の実態を調査している。
 なお、調査結果は母集団に復元したものを表章している。
-----
"平成14年度労働時間等総合実態調査結果" (第35回労働政策審議会労働条件分科会 資料3-3) (2004年9月28日)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0928-7/e.html

「法定時間外労働の実績」に関する説明はつぎのとおり:

4  時間外・休日労働の実績
※  「最長の者」とは、調査月における所定外労働時間が最も多かった労働者のことをいい、「平均の者」とは、調査月において最も多くの労働者が属すると思われる所定外労働時間の層に属する労働者のことをいう。
1)  通常の労働者に関する法定時間外労働の実績
※  この項の「通常の労働者」とは1年単位の変形労働時間制の対象労働者を除いた者をいう。
(1)  1週の法定時間外労働の実績(最長の者及び平均の者)(表25、26)
 最長の者において、時間外労働時間が限度基準で定める「15時間」以下である事業場割合は85.9%(平成12年度85.0%)となっている。平均の者においては、95.0%(同95.5%)となっている。
(2)  1箇月の法定時間外労働の実績(最長の者及び平均の者)(表27、28)
 最長の者において、時間外労働時間が限度基準で定める「45時間」以下である事業場割合は85.3%(平成12年度85.1%)となっている。平均の者においては、95.3%(同95.0%)となっている。
(3)  1年の法定時間外労働の実績(最長の者及び平均の者)(表29、30)
 最長の者において、時間外労働時間が限度基準で定める「360時間」以下である事業場割合は84.0%(平成12年度82.4%)となっている。平均の者においては、93.0%(同91.4%)となっている。
-----
"平成14年度労働時間等総合実態調査結果" (第35回労働政策審議会労働条件分科会 資料3-3) (2004年9月28日)

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0928-7/e.html