[2018-03-20 1995年度調査の情報を加えたのでエントリ表題変更、文章を修正]
以上の情報 を総合して、労働時間等総合実態調査の過去8回の調査 (1995, 1996, 1997, 1998, 2000, 2002, 2005, 2013年度) の変遷をまとめておこう。
年度 | 調査期間 | 基準時点 | 標本規模 | 回収率 | 審議会での使用 |
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1995 | 5-6月 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
1996 | 4-5月 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
1997 | 5-6月 | 原則として調査実施時点 | 16,932 | 100% | 不明 |
1998 | 4-5月 | 原則として4月1日 | 20,930 | 不明 | 不明 |
2000 | 5-6月 | 原則として4月1日 | 21,079 | 不明 | 中央労働基準審議会 (2000年10月) |
2002 | 4-5月 | 原則として4月1日 | 14,931 | 不明 | 労働政策審議会労働条件分科会 (35回) |
2005 | 4-7月 | 原則として4月1日 | 11,670 | 不明 | 労働政策審議会労働条件分科会 (52回) |
2013 | 4-6月 | 原則として4月1日 | 11,575 | 100%※ | 労働政策審議会労働条件分科会 (104-106回) |
(※2013年度については、素データ のケース数が標本規模と一致するので、回収率100%と推定)
1997年度以降については、労働基準監督官が事業場を訪問して調査をおこなう方法であることがわかっている。対象となる事業場は、地域・規模・業種の層別に抽出したようである。抽出確率が同一でない模様だが、詳細は不明。調査結果は、ウェイト付けして母集団を復元したものを%で表示している。ウェイト付けのない実数の表が出た例は、2018年2月の国会質疑に関わる資料 以外には確認できない。事業場においてどのような調査票等を使って聞きとったのか、根拠資料をどのように確認したのか (または確認しなかったのか)、情報が得られなかったケースがどの程度あるのかなどは一切報告されていない。
1998年度調査 と 2000年度調査 では、一部の項目については、男性労働者に限定して調査したようであるが、詳細は不明。
月間の法定時間外労働の時間数については、 1997年度調査 において、「最長の者」「平均の者」の値が報告されている。「平均の者」について「調査月において最も多くの労働者が属すると思われる所定外労働時間の層に属する」という定義は 2000年度調査 ではじめてみられた。この2000年度調査では「1週」「月間」「年間」の値が報告されており、その後の調査でこれが踏襲されている。「調査月」とは4月のことを指すのか調査時点の直前1箇月なのか、「平均の者」を具体的にどのように選んだか、「1週」の法定時間外労働を記録する際の対象となる週をどのように選んだのかなどは不明。「1日」の法定時間外労働を調査したという報告は、いずれの調査についてもみあたらない。